2010年12月16日木曜日

ボルドー サンテミリオン(Saint-Émilion) ③

約束の2時に、指定されたシャトーを訪ねた。


巨大なシャトーだけど閑散としている。
シーズンオフだから人がいないのかなぁ。
英語の話せないここで働いているおじさんに
無理やり英語で話しかける。
なんとなく事情を察してくれたみたいだ。
おじさんと我々、それぞれの場所にそれぞれの言語で
電話しまくって、ようやく(多分ホテル)手違いがあったことが判明。
まるきちたちが見学するのはこのシャトーじゃないらしい。

このシャトーと同じオーナーが持っている別のシャトーに案内された。
もう少しこじんまりとしたシャトーであった。

日本人観光客の団体さんもいた。
参加者は通訳が訳す言葉をイヤホンで聞いていた。

我が家は、おじさんが英語で解説してくれた。
おじさん、非常に熱心に解説してくれて
質問もいっぱいできた。
合計2時間くらい、みっちり我々夫婦に付き合ってくれた。
おかげで非常に面白かった。


寝かされた樽。
樽業者は結構いい商売をしているという話になった。
サンテミリオンの樽は小ぶりの動かしやすい樽。
ワインに対する接触面積が大きい小ぶりの樽がボルドーの
強く、深い味わいのワインを造るのには合っているとのこと。

こいつ1個で
まるきちの記憶:1000ユーロ
かんきちの記憶:600ユーロ くらいするらしい。
(二人とも絶対的な自信はないので両方併記…)

ある有名な地域(名前忘れた)のフレンチオークを使用しているが
木を伐採してすぐに樽に加工できるわけではなく、
写真に写っているのは約60年間乾燥させた木材を使用しているとのこと。
しっかりと乾燥させて、木材が貪欲に呼吸するようしむけ
ワインの緩やかな酸化を促す、ついでにオークの風味もワインに移す
というわけじゃの。

さらに、この樽、このあたりの上級シャトーでは
1回使ったら、それでお終い。
使用済みの樽は廃棄するか、BBQするときに燃やしてしまうらしい。
(ワインがしみ込んだオークで炙るフィレとか、最高なんじゃないの?!)
もう香りが十分にないし、湿ってしまって緩やかな酸化を促せないから。

そのほかにも、サンテミリオンの高級ワインを作るのが
どうして大変なのかという話もたくさん聞いた。

ボルドーのワインの特徴は、2種類以上のブドウを混合しているところ。
サンテミリオンはメルローにカルベネスーべニオン、
またはカルベネフランを加えるのが主流。
おじさん曰く、ここのカルベネフランは上品で素晴らしい香りなのだが、
害虫にやられることが多いのだとか。
有機農法にこだわっている(自分のところみたいな)シャトーは
とにかく常に畑に目を光らせて置く必要がある、とのこと。

それに、(自分のところみたいな)シャトーは、
長い間かけてワインを造る。
いくつか理由があるけど、
味を確保するために、
・ブドウを圧搾しない(破砕はする)
・ボトル詰めする直前までろ過しない
 (ので、浮遊物が完全に樽底に沈殿するまで待つ)
なぜ上記が良いのか、こんこんと説明してもらったのに
すっかり忘れてしまっている。

いずれにせよ、
・なるほど、美味しいワインが高いのには理由があるのね、
・ワイン作りは変数だらけで研究熱心、熟練、かつ勘が良くないと
と納得、感心した記憶だけはある。

その他にもいっぱい豆知識を仕入れたというのに、
メモしながら歩けばよかった・・・
ブログの更新も遅れ、すっかり忘れてしまっている。無念。

最後にここのシャトーのワインをテイスティングして
お土産に2本購入。 
(加えて13ユーロのワイン1本は、ホテルのパッケージとして無料でゲット)

13ユーロから40ユーロ弱の、お財布に優しい価格帯。
まだ最も美味しく飲める時期になっていないとのことで、
冷涼な場所で保管しておくよう言われた。
おじさん、レシートに、1本ずつの最適テイスティング時期を
記載してくれた。
5年後くらいに飲みごろになるみたい・・・待てるのか?
待てないのならば、きちんと室温に戻して
1時間以上デキャンタするように、と言わた。

おじさん曰く、2010年のブドウの出来栄えは素晴らしかった。
2010年のサンテミリオン産はきっと良いワインになる、とのこと。
ワイン屋で見つけたら買い込みたい。
ボトル詰めされるあたりでもう1回行くっていう手もあるな。
あー、収穫からボトル詰めまでどれくらいの期間が必要だったのかを
忘れている・・・いつ再訪したら良いのか・・・。

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