2011年8月6日土曜日

ペリリュー ダウンカレント

この写真、変だと思わない?まるきちの足が短く見えるのはアングルの
問題だと思うけど(汗)、気泡が??これはダウンカレントの仕業。
ペリリュー島にステイすると、ボートに乗ってからダイブポイントまでが10分足らずで嬉しい。
でも、意外と宿から船場までは離れていて車で15分くらいはかかる。


先のエントリーにも書いたが、ペリリュー島周辺は潮の流れがきつかった。
ペリリュー島到着後、最初のダイブの準備をしていたら
ガイドさんが「ちょっとそのフィン、見せてもらってもいいですか?」と。
そんなに珍しいかしら、と思いながら「どうぞ」と渡したら
しなりなんかを確認して
「ちょっとペラペラだなぁ。小さいし。」
続けて
「奥さん(=まるきちのことざんす)、脚力ある方ですか?」と。
「???」のまるきちに、さらに続けて
「流れに逆らって泳ぐこともありますから、頑張ってくださいっ!」とな。

ひぃ~っ!

確かにペリリューではよーく泳がされた。
放っておけばダイバーから離れて沖へ沖へと逃げようとする
ロウニンアジをグループで囲い込んで近くで見ようという作戦なのだから。
ガイドの指示でせっせと泳ぐ。
割と深場にいることもあって、ダイブ時間は30分程度と短くハードなダイブが多い。

泳ぐことに加えて、強烈なダウンカレントも経験した。
とにかくガイドよりも下を泳がないようにすることと、ダイブコンピューターを自分で
確認すること。
ダウンカレントの怖いところは、魚に夢中になって気付かないうちに
どんどん水深を下げてしまうこと。
だからバディの様子をよーく見ながら、常に水深チェックするだす。

このダウンカレント、難しいのはエントリーではなくてイグジットの方。
入水時はカレントにある程度身を任せてダイコンをチェックしながら
すーっと水深を下げれば良いのだが、
問題は浮上する時。
(まるきちにとっては不思議なことなのだが)ダウンカレントは空における
雲の層のように、ある水深の付近でものすごい流れが発生しており、
その上下は嘘のように静かだったりする。
そういうわけで、順調に浮上してきたのに、途中のどこかで自分の吐く気泡が
おかしなことになっている(=上の写真のように、顔周辺にまとわりついている)
と思ったらダウンカレントの中にいるため、以下手順で浮上する。

・BCに空気を景気よく入れてダウンカレントの層を突き抜けること。
 ここでフィンを使って上昇しようなどと考えないこと。
 脚力だけでは下にもっていかれるし、疲れてしまって良くない。
・BCに何らかのトラブルで空気が入らないような事態があれば、
 ウェイト(おもり)をはずして浮上すること。

そうそう、基本中の基本ではございますが、
そういうこと、直前に確認していると全く慌てずに対処できる。

時計の針を数年前に戻そう。

初めてブルーコーナーで潜ったとき
(当時、まるきちの経験本数30本程度だったと思う)、
割と初心者なのにカメラを持って潜っていた中年男性がグループにいた。

コーナーには噂通り鮫がいっぱいて彼は興奮していたのだと思うが、
現地ガイド(いや、正確には彼はパラオ人ではなくフィリピン人だった)
に事前に「ガイドよりも上を泳ぐこと、離れないこと」と注意を
受けていたにも関わらず、彼は少しグループから離れたところで
鮫の写真に夢中になっていた。

少しずつおやじが離れていくので2人のガイドの内、1人が
他のグループメンバーを棚の上(安全なところ)に避難させた。
もう1人のガイドは仕方なく中年の彼の救出に出かけたが、
これが難航。

注意をひこうと思っても彼はファインダーから目を離そうとしないし、
音を出して注意を引こうとしても全く無反応。
ものの1分程度の時間で中年の彼はあれよあれよとダウンカレントに
もっていかれ、水深40mには到達していただろう。

最初は「カン、、、カン、、、カン」と音を鳴らしていたガイドも
少し焦り始めて「カンカンカンカンカン!!!」と激しく音を鳴らす。

棚の上で見守るまるきちたちも固唾をのんでこの光景を見守る。
彼が行ってしまうところまで行ってしまったらガイドはどうするのだろう?
ドキドキしながら見ていたのだが、
本当にラッキーなことなのだが彼の追っていた鮫が浮上したため、
彼もいっしょに浮上したくなって
必死にフィンを蹴ってBCに空気を入れていた。

あー、この中年おやじ、鮫に救われたな…

結局ガイドの方を少しも見ず、勿論ダイコンで深度をチェックすることもなく、
ファインダーばかりのぞいていた。
どうせあんな水深で何の付属フラッシュもないコンパクトデジカメで鮫を撮ったって、
大した写真なんて撮れないと思うんだよね。
それで死んだらどうすんの??!!

船に上がった後、中年おやじ、ガイドにこっぴどくしかられて
さすがに反省していた模様。
他のグループメンバーは大人ぞろいで
「そんで・・・命をかけて撮った写真の出来栄えはどう?」
なんて嫌味な質問をする奴もいなかったなぁ。

人のふり見て我がふり直せ。
今回もまた同じ格言。

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