2011年1月2日日曜日

LA リトル東京(Little Tokyo)

クリスマス休暇を活用してハワイに行くことにした。
オアフ島にはまるきちもかんきちも行ったことがある。
今回はハワイ島とマウイ島の2島欲張りプラン。
デトロイトからハワイ島は、ホノルル経由かLA経由。今回はLA経由で行ってみた。

LAでまるきちが是非行ってみたかったのがリトル東京、日本人街だ。
アメリカにある公式(?)な日本人街は3箇所、San Francisco, San JoseそしてこのLittle Tokyo。
全てカリフォルニア。子供のころにSan Jose近くに住んでいたまるきちは前者2つは何度か行った。
そういうわけで、全日本人街を制覇すべくLAに行く機会があれば
是非Little Tokyoに行き、さらにはそこにある博物館にも足を運びたいと思っていた。
昭和初期のような雰囲気が残る町並みにノスタルジーを感じられると信じて。

そういうわけで大雨の中、レンタカーでロサンゼルスのダウンタウンに向けて出発。
LAは大都会なのに、車が完全に主要な交通手段となっている。
土曜日の午前中という、間違いなく交通量の少ない時間であろうとも、
おかしいくらいハイウェイは混んでいる。金曜日の夕方は、当然大混雑だった。

写真は撮り忘れたが、Japanese American National Museum は立派な建物だった。
たくさんの写真、および一部のビデオ、ジオラマを見学できる。
博物館の一室ではSansei(三世)と思われる日系人おじいさま・おばあさまが
クリスマスパーティーを催して盛り上がっていた。

農家の次男坊三男坊等々が生活のために海外に移り住んだのを契機に
アメリカの鉄道移設や農業を支える労働力となってアメリカにおける日本人人口が増え
男子増えれば女子不足、ということで写真花嫁となって海を渡って嫁入り。
そうこうしている間にアメリカにおける日本人社会が構築され、日本人街も栄えた。
増えてくると目につくもので、1910年代あたりから、日系人への風当たりはきつくなり、
Pearl Harbor以降は、収容所、第442連隊の欧州戦線と悲しい時代が続く。
特に印象に残っているのは、インタビュー映像で語られていたエピソード。

戦後も日系人は常に「アメリカ人であること」を証明し続ける運命にあった。
そのため、ベトナム戦争にも志願して行った。
ところが、敵として対峙するベトナム人は「Yellow(黄色人種)」であり、
アメリカ軍の制服を脱いだ日系人は、黄色人種という意味でベトナム兵と一緒に見えてしまう。
そんなある日の戦場。
負傷した日系人兵士が米軍ヘリで基地に運ばれようとしている。
激しく負傷しており、軍服を脱がされ、モルヒネを投与され意識が遠のいている。
ヘリはベトナム兵捕虜もたくさん載せている。
基地へ向かおうにも重くて地上10mくらいからうまく機体が持ち上がらない。
「Throw them out」とパイロットが指示する。
すると、白人アメリカ人兵士は次々にベトナム人捕虜をどさっ、どさっと地上に放り投げる。
こともあろうに、負傷した日系人兵士も白人に捕まれてほうり出されようとしている。
モルヒネで意識朦朧としつつも、日系人兵士は白人の足をとっさにつかんで離さない。
それを見た、同じ隊に所属している黒人兵士が言う。
「Leave him alone, he's an American!」
白人は手を離し「Sorry about that」と詫びる・・・

何とも悲しい話ではないか。

そんな悲しいエピソードの多い博物館だが、どういうわけか昔の日系人の写真には笑顔が多い。
アメリカ西部やハワイの強い日差しのもと、歯を見せて、力強く「にっ」と笑っているのだ。
背景が収容所や家財道具一式でなければ、明るいスナップ写真とも見受けられる。
決して「あはははは」という快笑ではないが、生命力のある笑いとでも言おうか。
不思議なものだ。

情報イッパイの博物館であったのに、ノートを取りながら回るというようなことをしなかった。
後でインターネットで調べれば分かるだろうと高を括っていたのだが、
意外とネット上の情報は限られている。
せっかくいろいろと学んだのにすっかり忘れてしまった。無念。

見学者は日系アメリカ人が半分、日本人が2割、白人3割といった具合か。
(クリパで盛り上がるおじいさま・おばあさまを除けば)
大雨のせいなのか、人の入りは極端に少ない。
2時間の間に見たのはせいぜい15人くらいか。

博物館のURL http://www.janm.org/

ちなみに、夫かんきちはこの博物館を見学後、山崎豊子の「二つの祖国」を
LAのMitsuwa内の三省堂で買い込んで読み始めた。
リトル東京、ハワイという経路で旅行をするにはうってつけの携帯本。
悔やまれるのは、けちっ2巻までしか買わなかったこと。
それ以降はネットや日本で買おうとか思っていたのか・・・
1-2巻はすぐに読み終えてしまい、残念がっていた。
まるきちも(全巻が我が家に揃ったら)久しぶりに再読してみたい。

さて、リトル東京の様子。
結論から言うと、ノスタルジーを感じるような場所ではなく「ここはお伊勢の『おかげ横町』?」
という再開発の進んだ街になっていた。
雨で人どおりは少ないものの、人々の会話・服装等々から類推するに
日本文化(漫画、アニメ、ゴスロリ等)に興味ある若い白人のhang out spot となっている模様。



久しぶりに食べた山崎アンパンはうまかった。
ちなみに、日本人や日系人がっつり日本のものを買う場合は
Mitsuwaを初めとする郊外のスーパーに行くのだが、
シカゴミツワにせよLAのミツワにせよ、日本人以外のアジア人の買い物客が結構いて驚く。
白人も勿論いるけど、中国人の数が多い。
ミツワ内にある山頭火のラーメンを食べているのも、日本人家族と同じくらいの数の中国人家族。


やっぱり日本のラーメンはうまいからな。

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